今やスマホや携帯は仕事をする上で、ほぼ必須です。
スマホが1台あれば連絡やスケジュール管理などいろいろでき、スマホがなければ仕事ができないこともあるほどです。
また通常の生活でも、スマホを使用する機会が多いのではないでしょうか。
スマホを仕事とプライベート両方で使う機会が多く「スマホは経費になるの?仕事とプライペートの両方で使うことがあるけど、経費にしてもいいのかな…。」こんな疑問を感じるフリーランスの方は珍しくありません。
そこで今回はスマホの経費について、ご紹介します。
毎月の利用料やスマホ本体の経費、また支払ったときの仕訳についてもわかる内容になっています。
スマホ代は経費に含めることができる
結論から言うとスマホ代は経費に含めることができます。
しかし、どんな状況でもスマホ代を経費にできるわけではありません。
スマホを事業として使用していない場合は、経費に含めることができません。
またスマホ代を経費にする時、気をつけることがあります。
スマホを事業に使っている場合
スマホを事業に使っている場合、支払ったスマホ代は経費にできます。
しかしスマホを事業とプライベートの両方で使用している場合は、家事按分に気をつけましょう。
家事按分とは事業とプライベートの両方にかかった経費を、合理的な基準によって按分することです。
家事按分することで、事業とプライベート両方で使用しているスマホを経費にすることができますが、家事按分に明確な計算方法はありません。
事業とプライベートを合理的に区分できる方法で計算し、具体的には以下の方法が考えられます。
・使用時間
・使用日数
スマホをほぼ仕事で使用してい場合、使用日数で按分する方法があります。
休日は仕事でスマホを使用することがないため、休日分の日数を家事按分します。
たとえば月のうち休日が9日の場合、仕事で使用した割合は約70%です。
1 – 0.3 = 0.7(仕事使用割合)
・使用時間
使用時間で家事按分する場合、1日のうちに何時間ほど仕事で使用しているかで把握できます。
スマホを使って電話◯分、インターネット検索◯分など把握するのは難しいです。
「何時から何時まではスマホを仕事で使用している」などであれば、計算が可能でしょう。
法人契約している場合
スマホを法人契約していれば、事業で使用していることが証明しやすいです。
法人契約は個人事業主でも契約可能ですが、通常の法人契約とは必要な書類が違い以下の書類が必要です。
・個人事業の開業・廃業等届出書 ・確定申告書 ・営業所の住所確認書類 |
確定申告には白色申告と青色申告があります。
個人事業主の法人契約は多くのキャリアでは、青色申告が条件となるケースが多いいです。
青色申告が条件になるのは法人契約には審査があり、白色申告に比べ青色申告の方が信頼度が高くなるからでしょう。
また営業所の住所確認書類は水道や電気代、社会保険料などの公共料金の領収証も該当します。
契約する会社によって必要書類や取り扱いが違うので、事前に確認するとスムーズです。
スマホを経費計上する際に気を付けるポイント
ここではスマホを経費計上する際に気を付けるポイントをご紹介します。
支払いは事業用口座からおこなう
スマホ代の支払いは、事業用口座から引き落としされるようにしましょう。
プライベート用口座からスマホが引き落としされた場合「本当に事業として使用しているスマホなのか」が曖昧になってしまいます。
また事業用とプライベート用の通帳を分けることによって、資金の流れを把握しやすく資金繰りが明確になります。
スマホを事業に使っている証明ができるようにしておく
スマホを事業で使っていると主張しても、実際に使っていることが証明できないと経費にすることが難しくなります。
あとで説明がしやすいように、スマホを事業で使用していることが証明できるようにしておくことが大切です。
たとえば名刺や請求書の連絡先を、経費にしているスマホの番号にするなどの方法があります。
対外的な書類の連絡先をスマホにすることで、事業に使っている証明になるでしょう。
明細を保管する
スマホ代が口座から引き落としされるとき、アプリの利用料や家族のスマホ代が一緒に引き落としされることがあります。
しかし個人で使っているアプリの利用料や家族のスマホ代は経費になりません。
スマホ代の金額や事業として使用しているスマホであることを証明するためにも、明細を保管しておきましょう。
スマホの明細を紙で受け取る場合、紛失することがあります。
紛失した明細は会社によって再発行可能ですが、日数がかかります。
確定申告に近い時期に紛失に気づくと明細が間に合わないことがあるため、明細などの書類は専用BOXに保管しておくと紛失リスクが軽減されます。
スマホ代の帳簿のつけ方
スマホ代を支払ったときは「通信費」の勘定科目を使って仕訳します。
たとえば10,000円のスマホ代が、通帳から引き落としされたときの仕訳は以下です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
通信費 | 10,000円 | 普通預金 | 10,000円 |
取引の内容を帳簿に作成する時は、何の取引だったかわかるようにしましょう。
「1月分のスマホ代」のように適用欄に取引の内容を記載することで、あとでわかりやすくなります。
また取引の内容を帳簿に記載することは、記載事項です。
参考:「帳簿の記載事項と保存」(国税庁)
事業とプライベートが兼任されているスマホ代の仕訳は注意が必要です。
プライベートで使用しているスマホ代は経費にならないため「事業主勘定」の勘定科目を用いて仕訳します。
たとえば10,000円のうちプライベート使用分2,000円のスマホ代が、通帳から引き落としされたときの仕訳は以下です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
通信費 | 8,000円 | 普通預金 | 10,000円 |
事業主勘定 | 2,000円 |
プライベートで使用した2,000円分が経費にならないように仕訳することが大切です。
スマホ以外に経費計上できる通信費
さきほどスマホ代の勘定科目は「通信費」と、ご紹介しました。
決算書は資産や負債が表示されている貸借対照表と、収入や経費が表示されている損益計算書があります。
通信費は損益計算書に表示されます。
通信費とは、取引先などとコミュニケーションのために使われる費用です。
スマホ以外に、フリーランスが経費計上できる通信費は以下が考えられます。
・Wi-Fiなどのネット利用料 ・プロバイダ料金 ・固定電話 |
一方、通信費に間違えやすい内容は以下があります。
内容 | 勘定科目 |
収入印紙 | 租税公課 |
電話加入権 | 電話加入権(資産計上) |
祝電などの電報 | 接待交際費 |
電話加入権は経費ではなく、資産です。
資産は経費ではないため、経費にならない電話加入権を経費にすると誤った処理になります。
電話加入権が経費にならないよう、明細などを確認することが大切です。
スマホ本体やパソコンも経費計上可能
スマホの通信料金以外にも、スマホ本体やパソコンも経費計上が可能です。
しかしスマホ本体やパソコンは金額によって処理が異なり、具体的には以下です。
金額 | 勘定科目 |
10万円未満 | 消耗品費(経費) |
10万円以上 | 工具器具備品(資産) |
10万円は家事按分する前の金額で判定
10万円未満、10万円以上によって勘定科目が異なりますが、10万円は家事按分する前の金額で判定します。
たとえば、事業で8割使用する11万円のスマホを購入した場合の勘定科目は工具器具備品です。
家事按分後は88,000円(110,000円×8割)となり10万円以下ですが、家事按分する前の金額が10万円を超えているため工具器具備品です。
10万円未満の場合の仕訳
10万円未満の場合は「消耗品費」の勘定科目を使って仕訳します。
たとえば70,000円のスマホ本体を、現金で購入したときの仕訳は以下です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
消耗品費 | 70,000円 | 現金 | 70,000円 |
また、家事按分2割の場合は以下です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
消耗品費 | 56,000円 | 現金 | 70,000円 |
事業主勘定 | 14,000円 |
10万円以上の場合の仕訳
10万円以上の場合は「工具器具備品」の勘定科目を使って仕訳します。
たとえば120,000円のスマホ本体を、現金で購入したときの仕訳は以下です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
工具器具備品 | 120,000円 | 現金 | 120,000円 |
また、家事按分2割の場合は以下です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
工具器具備品 | 96,000円 | 現金 | 120,000円 |
事業主勘定 | 24,000円 |
工具器具品は貸借対照表の資産項目で、減価償却費を計算して経費になります。
工具器具備品は減価償却費を計算
減価償却とは購入したときに全額経費にするのではなく、一定の期間で経費計上する会計処理です。
一定の期間は物や使用目的によって法廷耐用年数が決められています。
また減価償却費を計算する方法は導入方法や購入金額によって異なります。
まとめ
スマホ代は経費に含めることができます。
しかし事業とプライベートの両方で使用している場合は、全額経費にするのではなく家事按分をすることが大切です。
スマホを経費計上する際は「支払いは事業用口座から」「スマホを事業で使っていることを証明する」「明細を保管する」に気をつけましょう。
スマホは事業だけでなく、プライベートでも使用する機会が多いいです。
女性はプライベート用の番号を取引先に伝えることに、抵抗を感じることもあるでしょう。
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