実は電話代の削減と一口で言えども、
- 固定電話のコストを削減する方法
- 電話回線のランニングコストを削減する方法
- 従業員の携帯電話のランニングコストを削減する方法
と、3つの視点からアプローチができます。
この3つをトータルで見直していくことによって、会社の電話代の削減が効果的におこなえます。
そこでこの記事では、会社の電話契約でよくある「ムダなコストがかかっているパターン」を挙げ、そのムダを削減する方法を詳しくお伝えしていきます。
業務に過不足ない適正な電話契約でムダを省き、その分の金額を会社の成長に充てられるようにしていきましょう!
会社の電話契約でムダなコストがかかっている4つのパターン
通信業界は複雑で、製品やサービスが言い値で取引されていることも珍しくありません。
そのため電話に関するサービスに対しても、知らず知らずのうちに割高な契約をしている場合があります。
特に次の4つは、ムダなコストがかかっている可能性が高いパターンです。
- ビジネスフォンを導入した際の保守プランが適正ではない(利用頻度は高くないのに手厚い保守プランを契約しているなど)
- 固定電話の料金を大手キャリアに正規料金で支払っていて、法人用プランなどを使っていない
- 契約している電話サービスの内容を把握していない(どんなメニューを選択したか?どんなオプションを付けたか?)
- 従業員用の携帯電話の契約を直接ショップに行っておこない、法人用のプランにしていない
もしも当てはまるものがあったなら、そこがあなたの会社の電話代削減のポイントとなります。
それでは、さらに詳しく説明していきましょう。
【会社の電話代の削減方法①】ビジネスフォンのコスト見直し
ビジネスフォンは家庭用電話機よりも多機能です。そして、内線や保留転送といった通話の振り分けをおこなう主装置が必要なため、その導入費用は高額になります。
そのため、リース会社と契約して導入している企業が多いです。
リース契約にはもちろん月々のリース料が発生しますし、保守点検費という名目で別途料金がかかる場合もあります。
さて、そんなビジネスフォンの毎月のコストを削減するには、次の4つの方法があります。
- リース期間満了後、再リース契約する
- リースの組み直しをする
- 中古端末を上手く利用する
- リース期間満了後、電話の仕組みをクラウドPBXに切り替える
リース期間満了後の再リース契約は割安に
ビジネスフォンのリース期間(平均で5~6年)が満了したときに、同じ機種を同じ業者と再リース契約します。するとそのリース料は、通常の1/10程度にまで下がります。
※再リース契約は1年単位が原則で、リース料は前払い一括になる場合が多いです。
最初のリース契約の時点ですでにリース業者の元が取れているため、再リース契約の際には割安になるのです。
万が一故障したときのサポートもない場合が多いので、その点は理解しながら再リース契約をする必要がありますよ。
リースの組み直しで毎月の料金が下がる場合も
ビジネスフォンのリース契約は、途中解約ができません。もしも解約する場合は、残りの支払金額を違約金として支払う仕組みになっています。
その仕組みを利用してリースの組み直しをすることで、月々のビジネスフォンのリース料金が下がる場合があります。
具体的なやり方としては、今契約している機種をいったん解約という形で違約金を発生させ、その金額を新たな機種のリース代に組み入れます。
そうすることで、ビジネスフォンの機種は新しくなりながらも、月々のリース料金が安くなる場合があるのです。
長期的に見ると大きな金額を支払うことになるということを、頭に置いておかなければなりません。
リースの組み直しに関しては、リース会社から提案されるケースがほとんどでしょう。
中古ビジネスフォンなら最新端末よりも格安で購入できる
中古のビジネスフォンであれば、最新の端末の半値以下で購入できます。(1端末数千円くらいで出回っています)
リースのように、月々の機種にかかるランニングコストを削減したいのであれば、一世代前の機種を格安で購入して会社の所持品にするのがおすすめです。
ビジネスフォンは大体5~6年周期で新しい機種がリリースされますが、一世代前の機種でも性能の良いものであれば十分使えます。
会社内に置いてある主装置が、目星を付けている中古ビジネスフォンに対応しているかどうかを確かめてから選びましょう。
クラウドPBXに切り替え、維持費や増設費をカット
当たり前のように社内に置かれているビジネスフォンと主装置ですが、実はすでにどちらも不要な時代になっています。
- ビジネスフォン(固定電話)→スマートフォン、パソコン、タブレットなどで代用
- 主装置→通話の振り分けの仕組みをソフトウェアにしてインターネット上に(クラウドPBX)
※スマホやパソコンにクラウドPBX専用のアプリを導入して使用する
このような形の「クラウドPBX」という仕組みが普及しています。社内に固定電話や主装置を置かずとも、内線や保留転送ができるようになりました。
クラウドPBXには月額使用料がかかりますが、数千円~の低価格なプランが多いです。そしてビジネスフォンのリースのように、契約期間に縛りがないのが特徴です。
他にも、
- 離れた拠点同士(海外も含む)でも内線を繋げられる(内線間は通話料が無料なので、通話コストの削減になる)
- 電話の増設工事が不要
- 会社が移転したときの設置工事が不要
など、従来の電話設備の整備にかかっていた金額と労力がカットされた、スマートな特徴がクラウドPBXにはあります。
【会社の電話代の削減方法②】電話サービスのプラン見直し
会社の電話代を削減する有効な方法としてもう一つ挙げられるのが、加入している電話サービスの見直しです。
多くの場合、最初に契約したプランが利用頻度に合っていなかったり、使わないオプションサービスを奨められるがまま付けて放置されていたり、ムダの多い契約内容になっています。
これらをきちんと用途に合わせて見直すことにより、毎月の通話料は下げることができます。
また、電話サービスを提供している業者の切り替えもランニングコストの削減に効果があります。
老舗のNTTが提供している加入電話(アナログ回線)やINSネット(デジタル回線)は、やはり割高です。
例えばこれをソフトバンクが提供している「おとくライン」という法人向け電話サービスに切り替えれば、毎月の通話料は安くなります。
会社がIP電話を使用しているのであれば、楽天コミュニケーションなどが提供している回線を使えば通話料が割安になります。
【会社の電話代の削減方法③】社員用携帯端末のプラン見直し
毎月の電話代でもう一つ目をつむれないのが、社員用携帯端末にかかる料金です。
必要な台数分だけ基本料金や通話料がかかりますから、なるべくコストパフォーマンスの良い契約内容に見直しておきたいですね。
社員用のフィーチャーフォン(携帯電話)やスマートフォンの料金を削減するには、知る人ぞ知る法人携帯プランを利用するのがおすすめです。
例えばソフトバンクの「Bizパッケージプラン」では、フィーチャーフォンであれば月額1480円~、スマートフォンなら月額3000円~で法人用携帯電話が契約できます。
通話し放題やデータ通信が付いてこの価格ですから、社員の携帯電話代をかなり抑えることができます。
また、スマートフォンであれば格安SIMを契約して毎月の通話料を抑えるのもひとつの手です。
そして、法人用の携帯電話代を削減するには「相対プラン」も効果的です。
相対プランとは、通信業者と個別で交渉して料金やサービスの内容を決める契約方法です。交渉力のある社員が必要になりますが、うまく話が進めば破格の値段で契約ができます。
相対プランを検討する際には、通信に詳しい人材がいる方が交渉が進みやすいです。なので、社内の通信担当と連携するか、外部のIT専門家から意見をもらうかするといいでしょう。
私用のスマートフォン×クラウドPBXの組み合わせなら端末代も削減
先に紹介したクラウドPBXを導入すると、社員の私用のスマートフォンがビジネス用の電話として使えるようになります。
つまり、私用の端末と会社用の端末の2台持ちをする必要がなくなるということです。
社員用にわざわざ端末の契約をしなくてもいいわけですから、その分コストが削減できます。
私用のスマートフォンとクラウドPBXを組み合わせると、電話は次のような動作になります。
- クラウドPBXと連携した専用のアプリから発信すれば、私用のスマートフォンから会社の電話番号でかけられる
- アプリからの発信、着信分の通話料金は会社に請求される(私用の料金ときっちり分けられる)
- クラウドPBXに紐付けられた端末間では、内線や保留転送などビジネスフォンと同じように通話の振り分けができる
- 営業時間が過ぎたら時間外アナウンスを流す設定があり、プライベートの時間に仕事の電話がかからないようにできる
このように、会社用の携帯端末を持たなくとも、十分ビジネス用電話として使うことができます。
私用のスマートフォンをビジネス用電話として使うには社員の理解が必要ですが、通信コストの削減に一定の効果があることに間違いはありません。
会社の電話代を最大限削減するには、取り入れる価値のある対策です。
どの方法がベストか?を選ぶには専門家と相談するのが吉
ここまで、会社の電話代の削減について、いくつかの方法をご紹介してきました。
【ビジネスフォンのコスト削減】
- ビジネスフォンのリース期間満了後、格安で再リースする
- リース契約の組み直しをする
- リースではなく、中古ビジネスフォンを格安で購入する
- リース期間満了やオフィスの移転のタイミングでクラウドPBXに切り替える
【電話サービスのコスト削減】
- 利用頻度に合わないプランを見直し、使っていないオプションサービスを省く
- 大手キャリア回線よりも割安の電話サービスに切り替える
【社員用携帯電話のコスト削減】
- 法人用の格安プラン(Bizパッケージプランや格安SIM)で携帯端末を契約する
- 通信業者と直接交渉ができる「相対プラン」を検討する
- 私用のスマートフォンをクラウドPBXでビジネスフォン化し、そもそも2台持ちをしなくてもよくなるようにする
どれを採用するか?ベストな方法を選ぶには考える時間が必要になります。
通信専門の社員が社内にいれば、スムーズに検討が進むかもしれません。しかしそうでない場合は、通信プランの内容を理解したり、通信業者と交渉したりするのに何かと頭を悩ませることになります。
業務量に対して余りすぎない、かつ不足もないプランはどうやって選ぶか?
機器やプランの切り替えに最適なタイミングはいつか?
複数のプランを比較するときにはどの点に注目すればいいのか?
もしもこのような疑問にぶつかるようであれば、通信専門家と協力して電話代の削減を進めていく方が安心です。
メールやチャットなど、さまざまなコミュニケーション手段が登場していますが、電話もまだまだ現役です。むしろ、用件を伝えるスピードは最も早い手段と言えるでしょう。
ビジネスの情報伝達の基本となり、必要不可欠なのが電話です。あなたの会社に最も適した料金プランで、快適に使えるようにしていきましょう。
「月々の会社の電話代、もっと安くならないだろうか・・・?」
この記事を読んでいるあなたは、きっとそう思っているのではないでしょうか?