人件費の割合を適正にし利益を上げるための3つの方法

会社を経営する中で、「自社の人件費の割合」を気にされてますでしょうか。

特に、利益がなかなか上がらない状況の場合

「もしかして人件費がかかりすぎているのか?」

と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、これから人員を増やして会社を成長させたいと考えるならば、
「人件費率」を適正にする必要があります。ではいったいどうすればいいのでしょうか。

今回は、「適正な人件費率を目指し利益を上げるための3つの方法」をお伝えいたします。

 

 

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【業種別】適正な人件費の割合とは?

そもそも人件費には何が含まれるのか?

そもそも「人件費」には何が含まれるのでしょうか。
人件費は、基本的に以下の4つに分けられます。

  1. 給与手当
  2. 福利厚生費・法定福利費
  3. 役員報酬
  4. 退職金

 

給与手当

「給与手当」とは従業員に支払う給与と各種手当を指します。

<給与手当に含まれるもの>

  • 基本給
  • 賞与
  • 家賃手当
  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 食事手当
  • 時間外労働手当(残業手当)
  • 各種技術手当
  • 特別勤務手当 ・・・など

なお、パート・アルバイト従業員に支払う給与や諸手当は「雑給」として処理されるケースもありますが、基本的には給与手当に含まれます。

 

福利厚生費・法定福利費

「福利厚生費」は、福利厚生を目的として従業員に支払う費用です。
また、事業者に負担義務のある福利厚生の費用を「法定福利費」といいます。

<福利厚生費に含まれるもの>

  • 社宅の家賃
  • 交通費(通勤手当として給与手当に含める場合もあり)
  • 慰安旅行、新年会、忘年会、親睦会などの費用
  • 慶弔金 ・・・など

<法定福利費に含まれるもの>

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 介護保険料
  • 雇用保険料
  • 労災保険料
  • こども・子育て拠出金

 

役員報酬

「役員報酬」は、役員や監査役など、特定の役職を持った従業員に支払われる報酬です。
「定款による規定」や「株主総会での承認」により役員報酬は決められます。
なお、役員には従業員のような各種手当金は支給されません。

 

退職金

退職金は、退職する従業員に対して事業者から支払われる金銭のことで大きく分けて2種類あります。

  • 退職一時金:退職する際に一括で支払われる
  • 退職年金:一定額が年金として支払われる

退職金制度は各事業者の就業規則によって取り決められ、法的義務はありません。
そのため、事業者によっては退職金制度自体が存在しない場合もあります。

 

雇用形態による人件費の違い

事業者が負担する法定福利費は、従業員の雇用形態によって変わり、それに伴って人件費にも差が出てきます。
パート・アルバイトは一定の基準を満たした場合、厚生年金などの負担が発生することになりますが、裏を返せば一定の基準を達しなければ厚生年金などの負担はないということです。
また派遣社員の場合、派遣会社に支払う料金に社会保険料や手数料も含まれていることが多くなっています。
つまり、正社員・契約社員に比べてコストが低いかどうかは、この部分だけでは判断できないでしょう。
なお業務委託の場合、法定福利費の負担はありません。

<雇用形態別 法定福利費負担一覧表>  ○:事業者負担あり  ×:事業者負担なし

  厚生年金 健康保険 介護保険 雇用保険 労災保険
正社員
契約社員
パート・アルバイト 一定の基準を満たした場合負担あり
派遣社員 派遣会社で加入するため、負担なし(ただし料金に上乗せされている)
業務委託 × × × × ×

 

業種別、人件費の割合

人件費率とは

人件費率とは、売上高に占める人件費の割合のことです。
なお人件費率は以下の式で求められます。

人件費率(%) = 人件費 ÷ 売上 × 100

なお上記の式で求める人件費率を「売上高人件費率」ともいいます。
人件費率は、以下の2点の指標となるものです。

  • 事業における人件費の割合は適正か?
  • 従業員への還元度は適正か?

人件費率が高すぎる場合は、「売上高が少ない」「人的コストが多すぎる」といったことが考えられます。
一方、人件費率が低い場合は「生産性が高い」と捉えることができますが、単純に低ければ良いというわけでもありません。
なぜなら

「従業員への還元が十分ではない」

と捉えることもできるからです。
従業員への還元が不十分な場合、モチベーションや業務効率の低下を招き、その結果、売上高に影響を及ぼす可能性があります。
また、退職者が増えて人手不足となる可能性もあるため、人件費率を見る際は従業員への還元度を考慮することが必要です。

 

業種別でみる人件費率の違い

人件費率は業種によっても違いがあります。

<業種別の人件費率一覧(令和元年度)>

  人件費(兆円) 売上高(兆円) 人件費率(%)
建設業 7.17 78.46 9.13
製造業 9.64 126.62 7.61
情報通信業 2.46 14.08 17.47
運輸業、郵便業 2.75 29.36 9.36
卸売業 9.75 156.47 6.23
小売業 9.28 75.59 12.27
不動産業、物品賃貸業 3.47 28.53 12.16
学術研究、専門・技術サービス業 3.12 14.58 21.39
宿泊業、飲食サービス業 3.96 15.47 25.59
生活関連サービス業、娯楽業 3.07 23.97 12.80
サービス業(他に分類されないもの) 3.93 20.90 18.80
合計 58.65 584.07 10.04

中小企業庁:中小企業実態基本調査/令和2年確報(令和元年度決算実績)3.売上高及び営業費用から筆者が作成

サービス業など人間の労働力を必要とする業種は人件費率が比較的高くなり、一方で機械で多くの業務を賄える製造業や卸売業などは人件費率が比較的低くなります。

 

自社の人件費が適正水準かどうか確かめるには

自社の人件費を評価する指標には、以下の5つが挙げられます。

  • 労働分配率
  • 一人当たり売上高
  • 一人当たり経常利益
  • 一人当たり付加価値(労働生産性)
  • 一人当たり人件費

それぞれの指標にはどのような意味があるのか? そして、自社の人件費をどのように評価すれば良いのか? 1つずつ見ていきましょう

 

労働分配率

 

「労働分配率」とは、企業が生み出す付加価値の中に占める人件費の割合です。
付加価値とは、売上総利益(粗利益)を指します。 労働分配率を算出する際に用いるのは以下の計算式です。

労働分配率(%) = (人件費 ÷ 売上総利益) × 100

労働分配率が低い場合は、その会社は

「従業員に対して適正な給与が支払われていない」

可能性があるといえます。
逆に労働分配率が高い場合は、

「利益に対し高い還元率で従業員に給与を支払っている」

といえるでしょう。ただ、この値は高ければ良いというものでもなく、労働分配率が高すぎる場合は、「何らかの課題があり会社の経営を圧迫している」可能性があります。

 

一人当たり売上高

 

「一人当たり売上高」は、「従業員1人に対してどれだけの利益があるのか」を表す指標のことです。
計算式は以下の通りとなります。

一人当たり売上高 = 売上高 ÷ 従業員数

「一人当たり売上高」が大きい場合は、

「その企業が手数や手間のかからない労働生産性の高い商材を扱っている」、または、「労働資源を効率よく活かせているビジネスモデルである」

可能性が高いです。
「一人当たり売上高」は同業他社との比較や、過去の実績との比較により、競争力の改善や努力の状況を見ることができます。 ただ、「一人当たり売上高」は業種によって大きく異なるため、他業種との比較はあまり意味がありません。

 

一人当たり経常利益

 

「一人当たり経常利益」は「従業員一人当たりでどれだけの経常利益を生み出しているか」を測る指標です。
計算式は以下の通りとなります。

一人当たり経常利益 = 経常利益 ÷ 従業員数

原価や費用を差し引いて残る「本業で得た利益」を測る指標となるため、「その企業の儲ける力の強さ」がわかります。
この指標も、同業他社との比較や過去の実績との比較をすることで、競争力の改善や努力の状況を確認することが可能です。

 

一人当たり付加価値(労働生産性)

自社の労働生産性を表す指標が「一人当たり付加価値」です。
「営業利益+人件費+減価償却費」を付加価値額とし、それを従業員数(または労働時間数)で割ることで、一人あたりの付加価値が求められます。

一人当たり付加価値 = (営業利益+人件費+減価償却費) ÷ 従業員数(または労働時間数)

「一人当たり付加価値」が高い会社は、社員一人当たりの収益性が優れているということなので、会社全体の生産性も高いといえます。
逆に、「一人当たり付加価値」が低い場合、「従業員の能力が努力が足りない」と見ることができますが、「設備や仕組みなど生産的要素がかみあっていない」と見ることもできます。
生産性が上がらない要因を的確に見極めることが必要です。

 

一人当たり人件費

「一人当たり人件費」は以下の計算式で求められる指標です。

一人当たり人件費 = 人件費・労務費 ÷ 従業員数

「一人当たり人件費」が低い場合は、待遇が良いとはいえないかもしれません。
人件費が抑制されているため短期的に見れば利益は増えるかもしれませんが、中長期的にはその企業の競争力や成長力を削ぐことになり、利益や付加価値を下げてしまう可能性もあります。
一方で、「一人当たり人件費」が高い場合、従業員にとっては待遇の良い会社といえるでしょう。
ただ、あまり高すぎると利益が圧迫されます。サービス業など労働集約な業種の場合は、付加価値に対して「一人当たり人件費」が高止まりすると、後に価格競争力を失いかねません。
「一人当たり人件費」の評価は、「労働分配率」や「一人当たり付加価値」などの他の指標や利益とのバランスを鑑みて行う必要があるでしょう。

 

 

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人件費を圧縮するための3つの手法

人件費の割合を適正にするためにはどのような方法があるのでしょうか? ここで考えておきたいのは「生産性を下げないこと」です。
人件費を抑制すれば、人件費率もその時は下がりますが、その後、売上や利益までも下がる結果となってしまっては、人件費率はまた上がってしまいます。
生産性を下げず、むしろ生産性を上げることで人件費率を適正にする、そのための方法を探っていきましょう。

 

IT活用による業務効率化をはかり生産性を上げる

業務効率化をして生産性を上げることで、売り上げや利益が向上し、結果的に人件費率を下げることができます。
その手段として有効なのが「ITの活用」です。 代表的なIT活用例を3つ紹介いたします。

IT活用例1:書類作成を効率化し情報共有を容易にする

見積書・契約書・請求書などの書類作成プロセスは「担当責任者への確認」や「経理担当・顧問税理士への伝達」などで構成され、必須のことでありながら、その1つ1つは手間のかかる作業です。当然、その分の対価として賃金が発生します。
ここでITを活用し、「書類作成の自動化」や「売上や請求など各データを会計ソフトに連動させる」ことで、作業時間の大幅な短縮と、確実な情報伝達が実現します。
空いた時間や空いた人員を売上拡大など他の分野で活用することができるため、結果的に生産性があがるのです。

IT活用例2:対面型から非対面型への切り替え

これまで実店舗で行ってきた商品の販売や、対面で行ってきた商談などを、IT・オンラインを活用した「非対面型」へと 切り替える方法です。
特にコロナ禍となり、感染対策のために対面営業ができないケースが増えてきた背景もありますが、お客様にとっては「店舗へ移動する手間」や「商品を持ち帰る手間」がなくなることで、非対面型のビジネスは高い利便性を提供することになりました。
実店舗を必要としないため、「店舗を維持するコスト」や「店舗で接客を行うスタッフのコスト」を減らすことにもつながっています。

IT活用例3:テレワークの実施

コロナ禍による感染対策は「対従業員間」、そして「公共交通機関による通勤時」でも必要です。
そのため会社ではなく自宅やサテライトオフィス、移動中など、「いつでも・どこでも」場所を選ばず仕事ができる「テレワーク」が脚光を浴びました。
テレワークはITの活用なくしては実現できません。
会社以外でも会社にいる時と変わらず仕事をするために、通信機器の導入や、紙ベースで管理していた企業情報をデータ化する必要があるということです。
それはテレワーク環境が整っていない企業にとっては、まとまった投資になるかもしれませんが、「オフィスの維持コストの削減」や「通勤に伴う時間とお金(通勤代)のコスト削減」「用紙コストの削減」など多くのメリットをもたらします。

サービス、ソリューションの価格を見直す

人件費率が高い場合、「現在提供しているサービス、ソリューションの価格が適正でない」可能性もあります。
適正価格を探るために、「クライアントがその企業のサービスを選んでいる理由」を一度探ってみてはいかがでしょうか。
価格以外の理由がもしあるのであれば、きちんと理由を説明することで価格交渉に応じてもらえる可能性はあるとみてよいでしょう。
また、価格以外の理由を発見できることは、自社の強みを再認識することにもなります。
モチベーションアップにもつながれば、「働きがい」という見えない生産性も上がることでしょう。

アウトソーシングやインターン生の活用(新規採用コストの最小化)

→テレワーカーやインターン生を稼働させ、正社員で採用するよりも低コストになる旨を解説

人件費の中でもとりわけ多くのコストを必要とするのが「新規採用」ではないでしょうか。 
新規スタッフを「募集するコスト」「育成するコスト」は、かければかけただけ成果が出るというものでもなく、時に空振りに終わることもあります。
そこで選択肢に入れていただきたいのが「テレワーカー」や「インターン生」の活用です。

テレワーカー

テレワーカーは直訳すると「テレワークをする人」となりますが、自社の業務のうち「テレワーク化できることのみを外部に委託する」ことをイメージしてください。
テレワークを実現するための環境整備や、複雑になりがちな雇用条件の整備、ガイドラインづくりなどを、外部委託することによって容易に実現することができます。
雇用形態によっては、正社員ほどのコストをかけることなく、生産性の向上をはかることができるでしょう。

インターン生

インターン生の活用でもっとも期待できることは「入社後のミスマッチの回避」です。
インターン生にとっては入社後の業務イメージがつきやすくなり、「自分にあっているか」肌で感じることができます
企業にとっても、インターン生に業務適性があるかどうかを、入社前に確認することができます。
ひいては、新規採用コストの削減にもつながることでしょう。

 

まとめ

「自社の利益を上げたい!」と考えたときに、人件費に目がいくことは多いと思います。
しかしながら、人件費はさまざまな項目で構成され、下げると短期的に利益は上がるかもしれませんが、中長期的に見ると良い策とはいえません。
また、考慮すべきは「人件費」ではなく、「人件費の割合」です。 生産性が上がるよう、そして高い水準で生産性を保てるよう、付加価値などの他の数字とのバランスを見ながら、「適正な人件費」を探ることが大切になってきます。 そのための手段は、今回ご紹介したようにいくつかありますので、ぜひ自社にあったやり方を選択し、生産性の向上につなげていただきたいです。

 


 

 

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