近年、「問い合わせ先の一元化」を目的に、コールセンターの需要が伸びてきているのをご存知でしょうか?
特に、BtoCの商品・サービスを提供している企業に、需要の高まりの傾向があります。
その背景には、消費者の購買行動の変化や、企業が抱えるお悩みなどいくつかの理由が隠れています。
では、どのような理由からコールセンターの需要が高まっているのか?
コールセンターを利用することで、どんなメリットがあるのか?
あなたの会社の状況とも照らし合わせながら、この先を読み進めてみてください。
コールセンターの需要が高まった背景とは
マーケティングリサーチを専門とする株式会社矢野経済研究所の調べによると、国内コールセンターの市場規模予測は次のようになります。
年 | 市場規模・予測 |
2015年 | 8390億円 |
2016年 | 8830億円(前年比+5.2%) |
2017年 | 9153億円(前年比+3.7%) |
2018年(予測) | 9414億円(前年比+2.9%) |
2019年(予測) | 9631億円(前年比+2.3%) |
2020年(予測) | 9824億円(前年比+2.0%) |
2015年から2017年にかけては、電力自由化やマイナンバー、東京オリンピック関連でコールセンターの特需があり、特に伸びています。
しかしながら、社会的な大口案件が目立たない2018年以降も、じわじわと伸びが予測されているのはなぜでしょうか?
その背景には、多くの国内企業が抱える「とある事情」があります。
ECサイトなど、無店舗型の販売形態の増加
いつでもインターネットにつながれる環境ができつつある今、商品・サービスの販売をオンラインに拡大する企業が増えてきています。
中には、費用対効果を考えて実店舗を閉鎖し、ECサイトのみの運営に舵を切ったケースも。
無店舗型でオンラインの販売形態は、営業エリアが限定されずに多くの顧客層にアプローチできます。
ですがその反面、お客様からの問い合わせ数も増加し、対応に追われることも少なくありません。
そこで、問い合わせを受け付ける専門の部署(コールセンター)を設け、スムーズな顧客対応を可能にしていこうとする流れがあります。
企業や店舗の人手不足
大手や知名度のある企業の求人に応募が集まる反面、業種によっては慢性的な人手不足に陥っている企業もあります。
特に建築関係や運輸業・サービス業の人手不足は深刻で、限られた人的リソースをどう使っていくか?ということが目下の課題です。
ですが、いくら人手不足であろうとも、お客様からの問い合わせを無視するわけにはいきません。
問い合わせに対する受け答えの品質を落としてしまっては、企業の信頼度に関わります。
そこでコールセンターを外部に設け、お問い合わせ先を一元化。
従業員の負担を減らし、本業務が少人数でも回る仕組みを作っていこうとする流れがあります。
※一般社団法人日本コールセンター協会の調査(2018年度)によると、サービス業や建築業などでコールセンターの需要が伸びています。↓
販売力強化と生産性向上を叶えるために
問い合わせ先を一元化することの「メリット」に注目し、コールセンターを設ける企業も増えてきています。
そのメリットとはずばり、「お客様からの問い合わせをビッグデータ化し、分析できる」という点です。
日々お客様からいただく質問・意見・要望。
これらを従業員それぞれが個別で対応していても、きちんと管理していなければ「点の情報」にしかなりません。
もしかしたら、業務改善や販売チャンスのヒントが隠れているかもしれないのに、情報がバラバラだと気付けないことも多いでしょう。
そこで、お問い合わせ先を一元化し「お客様からの声」を集中させ、蓄積していきます。(=ビッグデータ化)
すると、今何が求められているのか(=傾向)が掴めるようになり、次の営業戦略を練るためのに貴重なデータとなるのです。
もちろん、お問い合わせ先を一元化することで、生産性向上も見込めます。
従業員が作業の手を止めて問い合わせを受ける、というシーンが減りますので、業務全体の流れがスムーズになります。
人手不足などの深刻な事情がなくても、販売力強化や生産性向上のためにコールセンターを設けるケースが今後増えてくることでしょう。
「オペレーションの最適化」の波が来ている
コールセンターの需要が高まっている理由を紐解いていくと、「オペレーションの最適化」の波が来ていることが分かります。
IoTやAI活用が推し進められているのと同じく、根本にあるのは「ビジネスの流れを止めない」という考えです。
誰が(何が)・どんな業務を受け持てば全体が上手く回るか?
従業員ひとりひとりの役目と、ビジネス全体の流れ。
その両方を見ながら導き出された最適な解のひとつが、お問い合わせ先の一元化(コールセンターの設置)です。
今後、通信やロボットの活用が進み、ビジネスの流れはどんどん加速していくでしょう。
ありとあらゆるビジネスが複雑に絡み合って世の中を作っていることを考えると、業種を問わず「オペレーションの最適化」は必須の時代になるはずです。
今、当たり前のように受けているお客様からの問い合わせも、やり方次第では業務効率化につながったり、業績のプラスにつながる可能性があります。
ぜひあなたの会社でも、「オペレーションの最適化」について考えを巡らせてみてください。