デイサービス運営をICTでペーパーレス化、アナログ業務の大幅な効率化に成功

IOT Naviのサービスを導入した企業の事例をご紹介します。

今回は、ICT化によるデイサービスの業務効率化に取り組んだ、株式会社介護コネクティブ代表、寺本圭佑様にインタビューを行いました。

 

事例概要

 

企業名:株式会社介護コネクティブ(http://www.kaigo-connective.com/
業種:介護福祉・医療

 

【サービス導入前の課題

  • 業界全体で電話・FAX・記録などのアナログ業務が現場の業務負荷になっている
  • 業界全体で紙の書類のやりとりが多く、情報の管理やセキュリティ性に課題がある
  • 電話回線とインターネット回線両方の契約で通信費が割高に

 

【サービス導入後の変化

  • IPフォン導入で管理者や営業スタッフが外出先でスマートフォンから電話対応、現場の電話業務の負荷が軽減
  • 通信回線の一本化で毎月の通信コスト圧縮
  • 報告書など各種記録をデータ化しペーパーレスに、オンライン上で一元管理し検索性もアップ
  • アナログ業務を最小限にした結果、現場スタッフが介助に集中できるように

 

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業界のモデルケースになるために

ーーまずは貴社の事業内容について、詳しく教えてください。

寺本代表 株式会社介護コネクティブ(以下、「当社」)は「介護業界の未来と笑顔を共に創る」を理念に、介護関連企業様の経営・営業支援や、理学療法士に特化した人財採用・定着支援を行っています。

その他、介護業界の課題を総合的に解決するためのプラットフォーム(コミュニティ)を運営しており、すでに全国150社ほどの企業様に会員になっていただいています。コミュニティは業界関係者同士の横のつながりを深め、より良い情報交換と学びの場として機能しております。

2021年の11月には、愛知県西尾市に、直営の自立支援特化型デイサービス「IKIGAI」を開設しました。この「IKIGAI」の運営をITやICTにて効率化できないかということで、IOT Naviのコンサルティングやサービスを利用した次第です。

 

ーーデイサービスの運営をITやICTで効率化ということですが、従来型の運営方法では、現場にどのような課題があるのでしょうか?

寺本代表 介護業界は全体的に、通信インフラや業務のデジタル化に関する課題が山積みになっています。

例えば、事業所には固定電話回線が引かれているケースが多く、電話がかかってくるたびにスタッフが手を止めて対応している様子が見受けられます。

また、報告や請求業務は紙のフォーマットに手書きで行っていることが多く、FAXも紙でのやりとりのため、とにかく書類整理に時間と手間がかかります。その他にも、個人情報の取り扱いをする際のセキュアな通信環境が整っていないなど、リスク管理面でも課題があります。

このように、従来行っていたアナログ型の運営方法ですと、現場の業務量は増える一方です。人財不足に悩む事業所も多い中、このままでは利用者様へ提供するサービスの品質にも影響してしまいます。

そこで、ITやICTにて業務効率化をした事業所運営のモデルケースを作ろうということで、IOT Naviのみなさまに、当社デイサービスの通信インフラ等の構築をサポートいただきました。

 

介護業界で課題となっているアナログ業務3つをデジタル化

介護コネクティブ 

ーーIOT Naviのコンサルタントには、具体的にどのようなリクエストをしたのですか?

寺本代表 3つリクエストをしました。一つは「ペーパーレス化」です。二つ目は「将来的に顧客管理を全てオンライン化するための仕組みづくり」です。三つ目は「情報セキュリティ」ですね。

あと、もう一つありました。やはりイニシャルコストとランニングコストをどちらも低く抑えたいということです。

 

ーーそのリクエストをした結果、どのような方針で通信インフラの整備や業務のデジタル化が行われたのですか?

寺本代表 介護業界で大きな負担となっているアナログ業務は3つあります。電話・FAX・記録です。IOT Naviのみなさまからは、これらの業務をデジタルで効率化させながら、同時にセキュリティも担保していこうというご提案をいただきました。

 

ーーでは、デジタルの利活用によって、具体的にどのような業務体制になったのか教えてください。

寺本代表 まず、通信インフラについてですが、IPフォンを導入しました。

IPフォンはインターネット回線を利用した電話ですから、固定電話回線を導入するよりもずっとコストが抑えられます。また、事業所にかかってきた電話をスマートフォンに転送することができます。そして、スマートフォンから事業所の電話番号を使って電話をかけることもできます。つまり、スマートフォンを社用端末にする設定ができるので、固定電話機の購入も基本的には必要ありません。ですから当社のデイサービスでは、管理者や営業スタッフが外出先から電話対応をしています。

デジタルは便利な一方で、どうしても情報漏洩のリスクがあります。デイサービスでは利用者様の個人情報を取り扱いますから、各種データを蓄積しておくサーバーはクラウド型ではなく、よりセキュリティ性の高い自社サーバーを選びました。

業務面においては、基本的にペーパーレスです。日報やレセプト、請求書、雇用契約書など、日常業務で使う書類は全てデジタル化しています。FAXもよく届きますが、IPフォンと連携したインターネットFAXを利用しているので全てデータです。必要性のあるもののみ印刷するようにしています。

顧客管理については介護業界専門のソフトウェアがあるのですが、そこに各種データを紐付けて一元管理できるようにしています。

 

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コストを抑えながらスタッフの負担を軽減することに成功

ーー従来、アナログで行われることの多かった電話・FAX・記録業務をデジタル化したということですね。これにより、現場にどんな変化がありましたか?

寺本代表 ペーパーレス化による業務効率化の影響は大きいですね。当社のデイサービスは現在はオープンしたてなので顧客は10名ほど。今後半年から1年かけて100名ほどになる予定です。それでも毎月お一人お一人の情報が全て紙でのやりとりとなると、現場スタッフの負担は相当大きいです。

それがデータに置き換わりペーパーレス化されると、情報の更新や修正も短時間でできますし、何よりやりとりが履歴として残るので抜け漏れも防げます。事業所のデータがオンライン上で一元管理されていれば、どこにいても現場の状態が把握できるという経営者目線のメリットもありますね。

それから、IPフォンによる恩恵も大きいです。現場にかかってきた電話を外出先で管理者が出てくれますから、現場の手が止まりません。従来ですと、利用者様の介助の途中に電話が鳴って、その度に誰かしらが手を止めて対応するケースがほとんどです。こういう場面が積み重なると業務は遅延していきますから、それがなくなったのは嬉しいですね。

最後に肝心のコスト面についてですが、基本的に印刷をしないのと、通信インフラがインターネット回線に一本化されていますから、その分もちろん安くなっています。

 

ーーこれだけ恩恵があると、現場のスタッフの方も喜んでいるのではないでしょうか?一方で、一定以上のご年齢の方はスタッフも利用者様も含め、デジタル化に戸惑いを見せるのではないかとも思うのですが、その辺りはいかがですか?

寺本代表 利用者様に向けてのデジタル化は最終段階だと思っています。当社はまずスタッフの業務のIT、ICT化を行いました。デイサービスを開設するタイミングで体制を構築したことも大きいとは思いますが、現場に特に大きな混乱はありませんでした。むしろ、業務がとても効率化できて助かっているという声が上がっています。

IT、ICT、IoTなどと聞くと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、50代くらいまでのご年齢の方ならスマートフォンは普段から使っていると思いますので、その操作の延長線上のような感覚でできるものだと伝えていきたいです。

 

今後の医療介護業界にICT化は必須

介護コネクティブ

ーーこれからさらにIT、ICTにて効率化を進めていきたい業務や、介護業界全体のIT、ICTについて思うことなど、今後の展望を教えてください。

寺本代表 今後は顧客管理のデータに、電話の録音データを紐付けたいと思っています。業界の特性上「言った言わない問題」が起きやすいので、利用者様と事業所スタッフ、それからケアマネージャーの方とのやりとり上で行き違いをなくし、円滑なコミュニケーションを実現することが目的です。手入力の作業を音声入力にすることで、事務業務の負荷もまた軽減されると思います。

介護業界全体のことで言えば、まだまだIT、ICTの利活用の余地はあると思います。例えば、地域でいくつも事業所を持っていらっしゃる企業の場合は、通信インフラを整えてフロントにコールセンターを設けるなどですね。そうすれば、それぞれの事業所では電話に出なくてよくなり、より利用者様の介助に集中できるようになります。

訪問看護・介護でしたら、IPフォンが活躍しますよね。それから、勤怠管理をクラウド上で行えるようにすれば、直行直帰が可能になります。コロナ禍における事業所のBCP対策としても、出社しなくて良い体制を作ることは有効だと思います。

現在は国も介護事業のICT化を推進しています。しかし、まだ導入を検討する企業が少ないのが現状です。私個人的には、今後の医療介護業界はICT化なしに発展はないと思っています。ですから、ぜひ当社のデイサービスの事例を参考にしていただき、IT、ICT化の一歩を踏み出していただければと思います。

この度は、IOT Naviの皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。

 


 

 

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