モバイル接続やWiFi接続などの通信手段が安全なのか。あるいはプライベートで自身のSNSや仕事で会社のサーバーに気軽にアクセスしてもいいものなのか。常日頃、悪質サイトやウイルス混入への対策には意識が向いていてもそこが海外でいざ「接続」となった時、一抹の不安がよぎったことはありませんか。安全なインターネット接続をしているだろうか?と…。
そんな時によく見かけるのが「VPN接続」(以下「VPN」)というワード。Virtual(バーチャル)・Private(プライベート)・Network(ネットワーク)の略なのですが一体どのようなものなのでしょうか。
VPNは簡単に伝えるとどんな場所からの接続も安全に行えることを目的に開発されています。そのため海外からのアクセスのみならず、国内でも複数拠点のネットワーク構築等に大きな力を発揮しています。
この記事ではそんなVPNに関してのセキュリティ面で本当に安全なのか?注意すべきことはなにか?ということについてお伝えしていきます!
VPNの特徴とは
専用線並みのセキュリティ
「VPN」の特徴を言うとき、この「専用線」という言葉は外せないと思います。「専用・・」いい響きです。誰からも影響を受けない自分だけの線、そんな専用線が今でも最大のセキュリティ対策が必要とされている大手企業(銀行や商社、官公庁)などでは採用されています。
引用:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252210.html
銀行の取引データや官公庁の情報などはまだまだ専用線を使っている傾向が強いです。企業の命運を握るような重要な情報でもこの専用線で結ばれたネットワークであれば安心して送受信ができますね。
ところが、この「VPN」という技術は実際に”線”を使わずインターネット経由であるにもかかわらず、専用線並みのセキュリティ保ちながらネットワークの構築やネット接続を実現でき得るものなのです。
無料(公衆)WiFiでも安心
国内外でスマホやPCなどでネット接続をする場合、真っ先に気にするのが通信環境だと思います。
特に海外だと無料や公衆のWiFiスポットが充実しているので、SIMカードやポケットWiFiなどを利用してインターネットへ接続しています。
ところが、これらの無料WiFiには多くの危険が潜んでいると言われています。
・ウイルスの混入
・閲覧の盗み見
・悪質サイトへの誘導
・高額通信料などなど
その中でも、最大の危険が通信データの抜き取りです。何も対策をしないままだと大切な個人情報や仕事上での機密情報がいとも簡単に抜き取られてしまいます。
ですが、そのような環境下でもこの「VPN」の技術を使って通信へのセキュリティ対策を講じることで安心してインターネットを繋ぐことができるようになります。
安全へのコスパがいい
前述した”専用線”を使ったネットワーク構築は実際にケーブルを敷設してサーバーやPCを繋いでいくので専門の知識や技術者、工事、適した機器など全てに費用がかかります。
全く何もない環境から作り上げようとすると膨大な費用を必要とするでしょう。それでも、かつてはその費用をかけてでも高いセキュリティを求めて多くの企業がお金を使っていたのです。
そしてインターネット業界も進化を続け、「VPN」の技術が進歩してきた現代ではPCとWiFi環境さえあれば安心してインターネット接続できる設備を持つことが可能となりました。
もちろん費用0円というわけではありませんし、ひと言で「VPN」と言っても様々です。
PC1台、スマホ1台から何十、何百というデバイスをカバーするために多くのメニューが公開されています。ですが、どのメニューを選んだとしても「VPN」の費用対効果は最良だと言うことができるでしょう。
何故なら、実際のケーブルを使わずインターネットを使用しているからです。このご時世の「テレワーク」にもかなり適してセキュリティの強いネットワーク回線と言えます。
安全なネット環境が手軽に
このように安全なネットワーク構築やインターネット通信でのセキュリティ対策には専門の企業や技術者が必要だった時代から自らが調べ構築できる時代へと変化してきています。
以前ならサーバー同士をインターネットで繋ぐという概念すらなかったものが、あっという間に可能になったわけです。もちろんそうは言っても自分一人だけで実現できるわけではありません。前にも書きましたが「VPN」は今が旬の技術です。多くの企業、団体がその技術を高めビジネス環境を整備しようといろんなメニューを公開しています。
それには無料で利用できるものから「ある程度の費用」のかかるものまで多岐に渡ります。
ここで言う”手軽”という意味は「VPN」だからと言って【ただより高いもの】に手軽に飛びつくのではなく今必要なセキュリティ対策をしっかりと考慮することで必要なコストをかけ必要な「VPN」を手軽に利用できる、ということなのです。
安全性やセキュリティを高める技術だが…
いろいろと「VPN」の特徴を話してきましたが、ここまでは書いたこと全てがいい事ずくめの内容になってしまいました。確かにいい技術なのですが、実は「VPN」にも弱点が存在します。
コストとリスク
一つのネットワークを構築する上でより高いセキュリティを求めて従来の専用線を使用した場合と「VPN」を使用した場合そのコストの開きはとても大きなものがあります。
専用線は前述したように実際のケーブルを敷設するわけですから、当然その距離に比例して費用がかさんでいきます。そしてその保守や点検などにもランニングコストがかかってきます。
ところがこの「VPN」を使うとその費用は月々の定額費用で運用できイニシャルコストがかからないやり方があります。もちろん自社でサーバーを持ち運営をしていこうとすればそれ相当の初期費用はかかりますが作ってしまえばあとの費用は大きく抑えられます。
それだけコストパフォーマンスがいいと捉えることもできます。
ただ、それに対するリスクとしてはどこまで行っても「専用線と同じセキュリティは確保できない」ということ。また、情報をインターネットを通じてやりとりするため外国が相手の場合、国情によっては通信そのものが成立しないなどのリスクがあることは否めません。
技術と運用は別物
また、「VPN」という技術自体は確かなものだとしてもその運用を誤るとセキュリティ自体に大きな穴が開くこともあり得ます。
例えば、10人の社員全員がそれぞれ別々の「VPN」を利用した場合、そこには10社の「VPN」提供企業が存在する可能性があります。
もしも、その中の1社がサーバー内のデータに手を加え
- データを消去してしまったり
- データを書き換えたり
- あるいはデータを盗み出したり
という悪意のある企業だったとしたら・・・。
たとえ、「VPN」という技術をうたったサービス提供でも、やっていることは窃盗であり詐欺だということになります。多くのサービス提供企業が乱立している限りそのリスクが”0”になることはないでしょう。
社員・従業員のリテラシー向上も必須
VPN接続自体は大きな安全確保がされた接続ではありますが…その接続への方法や接続するためのインターネット接続を間違えてしまうとVPNの安全神話は一気に崩れてしまいます。
また、VPN=安全と解釈しすぎているのも危険です。VPNへの接続がどのような意図で、そしてどのような仕組みで繋がっているのかということは社員・従業員へもしっかりと共有しておきましょう。
インターネット回線の安全を確保するにはこの人的ミスをなくすことが必要不可欠となるわけですが、これにおいて重要なことは常に危機意識を持っておくということです。
仕事やプライベートでインターネットを利用(接続)する際
◎悪質サイトは国やプロバイダーが規制をかけてくれているだろう
◎セキュリティソフトはバッチリ!入れている
◎会社の情報管理は専門部署がしっかりやってくれているだろう
などと言う思い込みをしてしまっていると思わぬところで安全だったはずが逆に危険になってしまうこともあるのです。
例えばたった一つのファイルをVPNに経由で渡してしまった場合、そのファイルにウイルスなどが仕組まれているとVPNのセキュリティの壁は一気に崩壊してしまいます。
社員や従業員のセキュリティに関するリテラシーはかなり低い企業も多い状態です。そのためVPNのセキュリティが確立されたインターネット接続もある意味諸刃の剣となってしまいますので徹底した情報共有と社員へのセキュリティリテラシーをしっかりと高めておきましょう。
まとめ
今回はVPNは安全なのか?というセキュリティについてお伝えしてきました。
個人や企業にとって安全なインターネット環境を提供してくれる「VPN接続」ですが、構築・運用するには様々は仕様と方法があります。
インターネット空間に専用のVPNというトンネルを掘る(トンネリングというVPNの根幹技術のこと)ために必要なこととは、個人で言えばアプリのインストールから、企業で言えばVPNサーバの設置まで希望や必要に応じていくつもの道があります。
それらの社内のネットワーク環境を見える化して通信環境をしっかりと構築しておくことをオススメします!
この記事では、VPN接続は本当に安全なのか?についてお伝えしていきます!アメリカなどの海外から日本への接続をする場合、セキュリティに関して不安になることもあるかと思います!