デジタル機器の導入やインターネットの活用など、ビジネスにおけるIT化の流れはもはや当然のことといえます。とはいえ、そのすべてを理解して活用できているかはまた別の問題ではないでしょうか。
社内のネットワーク環境に携わるなかで、
- ネットワークの見える化とは具体的にどういうことか
- なぜネットワークの見える化が必要なのか
など、「ネットワークの見える化」という言葉を耳にし、興味をお持ちの方もいるかと思います。
そこでこの記事では、ネットワークの見える化についてその概要と、見える化が業務に与える影響などを詳しく解説します。
社内のネットワーク環境に不安がある、ネットワーク環境を可視化したいなどとお考えの方もぜひ参考にしてください。
ネットワークの見える化とは
会社で使用しているパソコンやネット回線などの通信インフラ、セキュリティ対策など、社内のネットワーク環境をどこまで把握できているでしょうか?
人材の入れ替えや新たな機器の導入など、社内の変化に対し、ネットワーク環境も随時チェックされているでしょうか?
「見える化」という言葉からもイメージできるとおり、ネットワークの見える化とは、ネットワークの構成・通信状況や関連する情報などを目で見て確認できる状態のことです。
実際は目に見えない、わかりづらいネットワーク環境をわかりやすく可視化させます。
ネットワーク環境の可視化
ネットワーク環境といっても、
- パソコンやサーバーなどネットワークの構成
- 通信端末間での通信(トラフィック)状況
- インターネットの接続状況、セキュリティ対策
- ネットワーク全般にかかるコスト、契約状況
など、さまざまなモノが関わり合って成り立っているのが現状です。
パソコンにデータを入力し、社内サーバーで共有、プリンターで印刷など、業務におけるネットワークの重要度の高さは計り知れません。
もし何かトラブルが起こった場合、これら一つ一つを調査し、解明するのは膨大な時間がかかってしまいます。個々の情報がまとめられていなければ、すぐに対応するのは難しいでしょう。
そこで実践したいのが、ネットワークの見える化です。ネットワーク環境を見える化しておくことは、トラブル防止や業務の効率化にもつながります。
なお、社内サーバーではなくパブリッククラウドサービスを利用している場合でも、「見える化」は有効です。快適なネットワーク環境構築のためにも、検討する価値はあるのではないでしょうか。
ネットワーク構成図とは
一見、複雑でわかりづらく思えるネットワーク環境を見える化するには、「ネットワーク構成図」が欠かせません。
ネットワーク構成図とは、ネットワークに接続されている機器がどのように構成・構築されているかを視覚的に示したものです。
たとえば、一台のパソコンがどのようなIPアドレスを持ち、どのサーバーやルーター、プリンタと接続されているのかを可視化させます。「見える化」は、ネットワーク構成図を作成しなければ始まらないのです。
構成図の作成に、明確なルールはありません。活用する目的に応じて、どこまで情報を載せるのか決めておくとまとめやすいでしょう。
ちなみに、ネットワーク構成図は以下の2種類に分けられます。
規模によっては必要な情報をしぼる、もしくは分けて作成するなどしなければ、構成図作成にかかる負担は大きくなります。
また、接続機器の増加や変更などに対応し、構成図もその都度アップデートしなければ、いざというときに使い物になりません。
「見える化するにはネットワーク構成図が必要」とはいえ、その作成や管理は思った以上に手間がかかります。誰でもわかりやすいツールや仕組みがあってこそ、適切に活用できるといえるでしょう。
ネットワークを見える化するには
実際には見えないネットワークを見える化するには、どうしたらいいのでしょうか?見える化を実現するには、以下の3つの方法があります。
- 独自で見える化する
- オープンソフトウェアで見える化する
- 製品を使って見える化する
それぞれ解説しますので、見える化を検討する際にぜひ参考にしてください。
独自で見える化する
システム開発に詳しい方や規模の小さい会社、見える化したい範囲が限定的な場合などは、独自のやり方を確立して見える化を実現することが可能です。
ただし、日々変化するネットワーク環境を常に把握し、情報を整理するのは相当な労力が必要になります。情報漏れや更新し忘れなど、リスクを伴う恐れがあることは知っておきましょう。
独自でのやり方は、エクセル(Excel)やパワーポイント(PowerPoint)、マインドマップのような作図にも使えるツールを活用します。
特に、ネットワーク導入初期の頃やシステム管理初心者は、専門的なものより、使い勝手がよく扱いやすいツールの方が始めやすいでしょう。ネットで検索してみると、さまざまなテンプレートの型が表示されますので参考にしてみてください。
オープンソフトウェアで見える化する
コストも手間もあまりかけたくない場合は、誰でも利用できるオープンソフトウェア(OSS)のツールを活用するのも1つの方法です。
オープンソフトウェアの見える化(可視化)ツールは、作図に使えるテンプレートがあらかじめ用意されています。操作性が高く、なおかつ基本はライセンスフリーなので、コストを抑えながら社内のシステム構築に役立てることが可能です。
ただし、オープンソフトウェアの知識や技術のある人でなければ、ツールをうまく活用するのは難しいといえます。何か問題が起きても、ソフトウェアの開発元に責任は問えません。
気軽に利用できる便利なツールである反面、使いこなすには技術が必要になります。システム構築やオープンソフトウェアに精通している人材がいる場合に、検討するといいでしょう。
製品を使って見える化する
独自のやり方を構築したり、オープンソフトウェアを使ったりするよりも、機能性の高さやサポートの充実を重視するなら、製品版を購入するのがおすすめです。
メーカーによっては、機能が制限される「無料版」やお試し期間がある「評価版」なども取り扱っています。購入するか迷ったら、実際に使用してみるとその製品のよさを体感できるでしょう。
製品版は導入コストこそかかりますが、
- 企業の規模(人数)に関わらず使える
- 充実した機能で運用・管理しやすくなる
- 手厚いサポートが受けられる
など、導入後のメリットが大きいのも特徴です。
ネットワークの状況がひと目でわかる、自動化や24時間体制など、人間が管理するには到底追いつかない内容まで管理してくれます。
ネットワークの見える化によってできること
ネットワークの見える化は、単にネットワーク環境をわかりやすく示すだけではありません。
ネットワーク環境を可視化させることで、
- 機器の導入や管理
- セキュリティ対策
- 通信、接続状況
などへの監視が行き届きやすくなります。それまでわかりづらかった、ネットワーク同士のつながりや現状などもひと目で把握できるようになるのです。
特に、ネットワークを管理する側は、トラブルシューティングへの対応も求められます。トラブルの原因を特定できなければ、業務が滞るばかりか社外への影響も相当なものだからです。
迅速な対応が求められるなか、本来ならば目に見えないものを情報として事前に見える状態にしておく「見える化」によって、原因究明の大きな一歩となります。
IT化の流れが大きい昨今において、ネットワーク環境の最適化は必須事項です。古いまま、問題を抱えたままの状態でビジネスは成り立ちません。
「見える化」は、ネットワーク環境を整え、効率よく業務を進めるための手助けとなります。日々の業務に追われがちだからこそ、トラブルへの備えとしてネットワークの見える化を検討したいですね。
ネットワークと合わせて業務の見える化も企業にとって重要
ネットワークの見える化と合わせて検討したいのが、「業務の見える化」です。
各部署や社員ごとに求められる役割は違っても、会社の利になるために働く”同士”であることは間違いありません。そこで、どの部署がどういう業務を行い、どうつながっていくのか、業務のプロセスに注目しましょう。
普段はあまり意識しない業務のプロセスを「見える化」することで、以下のような点に期待できます。
- 社員同士の情報の共有
- 人的ネットワークの広がり
- 問題の早期発見
それまでは自分の見える範囲内でしか把握できなかったことが、プロセスの可視化により、つながりを持って業務が進んでいることに気付けます。客観的な業務の改善が見られるかもしれません。
また、社員同士での情報共有がスムーズになり、社内の人的ネットワークが広がっていく可能性もあります。
新事業への着手、業務の効率化など社内のより良い変化を望むなら、業務の見える化を実践して現状を把握することが重要です。
業務の見える化は、業務の無駄を省くのにも役立ちます。本当に必要なものに時間とお金をかけられるようになり、ビジネスの後押しとなることでしょう。
まとめ
端末間での通信状況やインターネットの接続状況など、実際には見えないものを情報として可視化する「ネットワークの見える化」。
見える化によって、業務の効率化やトラブルへの対応がスムーズになるなど、嬉しい効果も期待できます。「業務の見える化」では、社員同士の人的ネットワーク構築にも役立つでしょう。
ビジネス界におけるIT化の波は、もはや避けては通れません。「見える化」は、コスト削減や生産性向上などビジネスを進めるのに大いに役立つ、大事な”視点”なのではないでしょうか。
弊社では、ネットワーク環境の見える化をサポートするサービスを、無料にて提供しております。
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