RPAは何ができるのか?対象業務まとめ|年末調整すらも時短

IOT Naviの前田
こんにちは!全国の中小企業の業務をIT・IoTで安全快適にするお手伝いをしています、IOT Navi®の前田です。

この記事では、RPAができることやその対象業務などについて少し掘り下げてお伝えしていきます!

「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」って・・・?

「最近よく耳にするけど何なのかよく分からない」

「うちぐらい規模の会社にはもったいない」

「RPAロボットに仕事を奪われるのでは」

と、まだまだRPAは日本の会社風土になじむには時間がかかりそうな意見や考えが多いのが現状だと思います。

RPAを知っている人も知らない人も、今後RPAを導入したいと思っている人も、RPAとどう向き合えばいいのかを一緒に考えていきましょう。

引用元:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap4_web.pdf

2017年調査の中小企業白書(第4章 IT利活用による労働生産性の向上)からの引用グラフですが、中小企業の中でRPAを知っている企業は59.3%あるものの実際に何らかの活用をしている企業はわずか1%に止まるという実態が報告されています。

その頃から3年が経過していますからもう少し数字は上がっていると思いますが、まだまだ導入している企業はそう多くはなさそうです。それは何故でしょうか。

引用元:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap4_web.pdf

同白書によれば(IT導入・利用と少し間口の広い調査ですが)最も多い理由がコストの問題でした。以下導入効果の問題、利用する社員のITリテラシーの問題と続いていますが、もしかするとRPAに関してはもう少し違った理由があるのかもしれません。

それはRPAの主業務である「ホワイトカラー(間接)業務のオートメーション化」に対する抵抗感です。

これまで人が行ってきたホワイトカラー業務は言い方を変えると「企業の血流」のようなものと言えるかもしれません。部門間や社員の間を行き交うことで、企業の健康を維持してきています。これまでの実績があり、せっかく上手くいっている今のやり方をいきなりロボットに任せるということに必要性を感じなかったり、違和感や不安を抱く経営者がいたとしてもおかしくはないでしょう。

しかし一方でこんな調査結果もあります。

引用元:https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H29FY/000254.pdf

実に80%超える企業に人手不足感があり、5社に1社は大いに不足という現状があります。この調査ではホワイトカラーの不足感がどれくらいなのかは分かりませんが、この先就業人口は確実に減っていきますから、どのような職種であれ人が余る状況にはならないというのは間違いないところです。

このような経営環境の中で、ホワイトカラーの「働き方改革」にも直結し得るというRPAの導入は10年先を見据えた重要な経営戦略事項だと、そんな気がしてきませんか?

 

 

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RPAで何ができるのか

そんなRPAですが、一体何者なのか?少し中身について見てみたいと思います。

RPAには様々な機能があるので例えば、「RPAで何ができるのか?」という問いに対しては、「ホワイトカラーがPCを使って行っている業務」のほとんどはRPAが代行可能と答えることができます。

総務省(働き方改革:業務自動化による生産性向上)調査によるとRPAが運用可能な機能として以下のような機能をあげています。

引用元:https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html

確かに、ホワイトカラーの日常業務はこれらの機能を複雑に組み合わせたものになっています。理論上はその業務(PC上でのオペレーション)をRPAに覚え込ませてしまえば、次からはRPAが代わりに業務をやってはくれます。

ですが、だからと言ってすぐに会社業務の「何をRPAに任せるか?」という一番重要な導入目的を決めていいというものではありません。

なぜなら、RPAの機能は経営戦略や営業戦略といった長期日常業務から営業サポートや経費精算のような短期日常業務までをカバーしているため、導入効果の最大値がどこにあるのかはケースバイケースだからです。

つまり、RPAの機能は会社業務の多くの分野を網羅しているあまり、逆に「RPAは何ができるのか」は理解できても「何を任せるのがいいのか」といった導入へ向けた具体案がよく分からないといった事象が起きているのかもしれません。

この、何をやってもらうのがいいのか分りにくいけれど「仕事は何でもできるやつ」というのが「RPA」なのです。

これから先多くの中小企業でもRPAの力は発揮されていくでしょう。それは前述した「人手不足」の解消や「働き方改革」の実践という時代の流れがあるからです。

導入に当たってはまず、RPAを理解し、その機能を自社にどう活かしていくかといった準備に時間を割くことが大切なのは言うまでもありません。

しかし、RPAの業務範囲や機能が広すぎるあまり、そこに注力しすぎると「よく分からなくなる」「面倒くさい」という弊害も生まれてしまいそうです。

 

そんな迷宮に入り込まないためには、小さな業務で構わないので「RPAに任せたい業務」を一つ見い出し、一日でも早くRPAを身近に置き「任せてみる」ことが本当の意味で「RPAのできること」を理解する一番の近道だと思います。

 

例えば、すでにRPAが活躍している業務には一部ですが以下のようなものがあります。その多くは大企業の実績かもしれませんが、中小企業であっても仕事の内容にはそう差異はありません。

自社の業務と照らし合せ導入の参考にしてもらえればと思います。

営業部門であれば

  • 見積書の自動化
  • 商品情報登録、更新
  • 商品在庫情報連携
  • 契約管理事務代行
  • 顧客管理代行
  • 受注、発注処理代行
  • 営業先リスト生成
  • 請求書データ収集   など…

管理部門であれば

  • 出退勤管理代行
  • 人事申請手続き代行
  • 会議室、研修予約アレンジ など…

経理部門であれば

  • 入出金管理
  • 交通費など経費計算
  • 給料計算

などです。まだまだ他にもあると思いますが、すでに具現化されている業務名称を見ると「うちのあの部署にも」とイメージがし易くなると思います。

 

RPA導入時に優先すべき対象業務とは

RPA導入時というのはとても大切なタイミングです。RPA導入の成否はここで決まると言っても過言ではありません。

最初にどの部署の何の業務にとか、誰々の何の業務に導入するのがいいのか、といった視点で導入を検討してしまうと、RPAの機能が多岐に渡っているので導入効果が総花的になり収集が付かなくなります。

たとえ現時点で全社導入を考えていたとしても「はじめの一歩」は大切にしていきましょう。

RPA導入のタイミングにどの業務が一番適しているか、どのように導入するのが、会社にとってローリスクハイリターンなのかをしっかり見極める必要があります。

 

優先すべき業務の捉え方と注意点

最初にRPAを導入する業務を選考するのに必要なポイントには以下のようなものがあります。

一人何役業務

例えば、タイムカート管理と日々の交通費精算業務を一人の職員が行っている会社があるとします。

タイムカード管理のような出退勤に関するのは労務系業務であり、交通費精算などは経理(財務)系の業務です。

一件にかかる時間はそう多くはないかもしれません。しかし、一人の職員の可能な労働時間は限られていますから、この二つの業務をこなせるのにもいずれば限界がきます。

従来であればどちらかの業務を他の人に移転する、といった手法で労働時間管理をしてきたと思いますが、このように一人が分野をまたぐ業務をしている場合などは、どちらかの業務にRPAを導入することで担当者の負担を軽減させることが可能です。

一人二役の業務などはRPAが力を発揮しやすい場面と言えます。

時間超過業務

給料計算や支払いなどで期日前になると経理の仕事量がグンと増え、おのずと残業が発生したりするものです。集計、計算、確認など決められた時間の中で間違いのない業務を求められています。

そのような場面でのRPA導入は正に渡りに船。業務時間短縮、ミスの軽減(ゼロ化)に直結するので忙しい時期だけの導入でも大きな力を発揮してくれます。

ブラックボックス化業務

長い期間、同じ業務をこなしてきてくれた熟練の職員の存在はどこの会社にもいるかもしれません。特にお金を扱う業務の場合、社長や経理担当責任者の信頼の元『あの人に任せておけば大丈夫』といったブラックボックス的信頼関係が醸成されていたりもします。

ただ、その職員も永遠には働くことはできません。病気やケガなどの入院や予期せぬ退職、そして定年と、それまでには必ず業務の受け渡しをしなければならない時がきます。

間に合わなかった、ということが無いよう業務の受け渡しを行えれば『あの人の代わりに任せられる』存在としてRPAが大きな力を発揮してくれるはずです。

小さなRPAでも慎重に

RPA導入はパソコンの中に「定型的な業務をしてくれるロボットをつくる」ことです。

自分に代わって業務をそのロボットがやってくれるわけですから、上記のような場面では「即効性」や「誤解を生みにくい」という効果が期待できると思います。

ただ、実際にオペレーション業務を行っている人たちは長年培ってきたそれぞれのスキルで業務と向き合っています。当然そこには”自信”もあれば”誇り”もあるはずです。

性急な導入により{RPA導入=仕事を奪われる}という誤解が生まれないように注意していきましょう。

大切なことはRPAに任せることで生まれた余裕で何をするか、何を求めていくかをハッキリさせておくことです。そしてこのことは導入後にハッキリさせるのではなく、導入計画の一環として担当部署や担当職員と同時進行で行いたいところです。

 

優先したい業務一覧

上記のようなポイントを踏まえRPAの導入時に優先したい業務をあげておきます。

営業系

  • 交通費・燃料費などの経費精算業務
  • 商品管理業務
  • 顧客フォロー業務  など…

管理系

  • 出退勤管理業務
  • 労働時間管理業務 など…

経理系

  • 入出金管理業務
  • 給与計算業務 など…

現在では、これらの業務等はすでに手作業のみで行う時代ではなく、専用ソフトやRPAのような新しい手法で効率よく行っていく時代に代わってきています。

1日でも早いRPA導入で新しい業務感覚に接してみることをおススメします。

 

 

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RPAで年末調整も大きな時短になる

年末調整は給与計算業務の一部ですが、経理担当社員にとっては主に毎年10月~12月にかけ神経をすり減らす業務になっている場合もあります。

手間もかかるし、間違い厳禁を考慮して税理士に委託しているケースも多いかもしれません

その理由は給与の年末調整は「所得税計算」になっているからです。

給与計算の一部である年末調整業務にRPAを導入するだけで担当職員にとっては大きな時間短縮になるのです。

 

年末調整でRPAがやること

「従業員一人一人の税務署等への提出書類の作成に関わるオペレーション」

これが年末調整でRPAがやってくれる業務内容です。もちろん、導入したからと言ってすぐにRPAに丸投げして書類が出来上がるわけではありません。

 

①年末調整用の書類の従業員への配布や質問、確認事項への対応

  • RPAに従業員からの質問や確認データを取り込むことでメールやチャットで自動応答が可能
  • 未提出者への自動催促メール

②書類内容等を専用ソフトへ入力し確認しながら提出書類へと仕上げていく

  • RPAにはルールに従って年末調整処理を行わせることが可能なのでこの局面で大きな力を発揮します。
  • 所得控除や税率など常に最新の情報を覚えさせておけばミスもなくすことが可能

③各行政機関への提出用書類の出力

  • 完成したデータに基づきRPAは自動で書類を出力してくれます

 

といった具合にこれらの業務を人とRPAが協力し合うことで、年末調整業務にかかる時間や手間を大幅に軽減させることができます。

RPAに任せることで担当者に時間的・精神的余裕が生まれ、提出が遅い社員に対しても優しく接することが出来るようになれば、それも立派なRPAの功績かもしれません。

 

まとめ

RPAには様々な機能があることによって多くの業務を任せることが可能になります。

ただ、そのことが逆に「RPAに任せること」を見えにくくしているのかもしれません。

今現在はそれでよくても、日々の業務は刻々と変化していきます。数年先に支障をきたさないために、今からでも「社内体制や業務を見える化」していくことで、RPAというロボットの姿がぼんやりとでも見えてくると思います。

いかに効率よく業務をこなしていくか?を検討したときにRPAの導入は大きな一歩になると言えるでしょう。その導入に関してや会社全体の通信環境をベストにするサポートをさせていただいておりますのでよかったら一度ご相談ください。

 


 

 

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